アドラー心理学1on1コーチングのコツ:問題解決に必要とされる効果的な問いかけとは?
前回のコラムでコーチングにおいては「事実」に注目するということをお伝えしました。
今回は質問の仕方によってもそれを実践できるということを説明したいと思います。
仕事などで何か問題が発生した時、我々は部下たちに「なんで?」と原因の追究をしがちです。
ビジネスでは起きた事象について原因を追究するというのはとても大切なことですが、使い方を間違えるとそれが悪い方向に行ってしまいます。
「なぜ?なんで?」というこの尋ね方、相手には詰問されている感覚を与えてしまいがちなのです。
実際にやってみてほしいのですが、「昨日、お昼に何食べた?」と聞いて、例えば「カレー」と返ってきたら即座に「なんで?」と聞いてみてください。
そのうえで、「なんで?」と聞かれてどんな気持ちになったか相手に尋ねてみてください。
恐らくほとんどの人が詰められた感覚を示すはずです。
職場で上司が部下に「なんで?」と聞いたらどうなるでしょうか。
詰められたと感じた部下は保身のために自分の都合の良い解釈を言うかもしれません。
上司がその発言を真に受けてしまうと的確な問題解決ができなくなってしまうわけです。
ではどうするか?
私は原因を把握したいときは極力「何が?」という疑問詞を使うようにしています。
「具体的に何が起きたのだろうか?」
「何が要因でそれが起きたのだろうか?」
「一体何がそうさせたのだろうか?」
「何が?(what)」で聴いた方が「なんで?(why)」で聞くときよりも事実に基づく意見が出てくる可能性が高くなる傾向が実感値としてあります。
尋ねる側も意識的に「なんで?」でななく「何が?」で聞くことを心掛けた方が「解釈でなく事実を聞くんだ」という戒めになるかと思います。
これだけでコーチングの質は変わりますので、ぜひ実践してみてください。
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