アドラー心理学1on1コーチングのコツ:部下の発言に潜む罠とは?

部下にコーチングを実施して上手くいかない時、そのひとつの要因として「事実」を的確に捉えていない可能性があります。
コーチングでは多くの場合、相手は自分の思いの丈を語ってくれます。
ところが、その話のすべてが真実かというと、そうではないケースが多々あります。
これは大きな罠で、いわゆる「話を盛ってしまう」ということが起きるのです。
これは皆さん自身も経験したことがあるのではないでしょうか?
親身に話を聞いてくるからこそ、話をさらに盛り上げようと多少誇張して語ってみたりしたことが…。
コーチとして話を聴く側のあなたがこうした「盛った話」に付き合っては当然的確な問題解決にたどり着くことはできません。
そうならないためのコツのひとつは、できるだけ「具体的な事実」に注目することです。
例えば、「まったく…。クレームの雨、嵐ですよ!」という意見に対しては、
「具体的に何件のクレームがあったの?その数字(事実)をおしえてくれる?」
という形です。
人は日々の仕事の中で起きた出来事(事実)に対して解釈を与えています。
この解釈は人の価値観によって大きく異なったり、その時の感情で大げさに捉えてしまったりするわけです。
「みんなが同じこと言っているんですよ」という場合、
具体的人数を聞いてみると、全く「みんな」でないことがほとんどです。
コーチであるあなたは客観的事実をしっかり把握し、その事実を問題解決することに目をむけさせるだけで、コーチングの質は驚くほど変わってきます。
【終】
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