アドラー心理学1on1コーチングのコツ:立てたプランが失敗する理由
今回もビジネスコーチングに関するスキルをお伝えします。
コーチングにおいて部下に行動変容が起き、問題解決に向けて自ら動き出そうとする時に注意が必要です。
この時、部下には理想の状態が見えてきてやる気満々、様々なことをやってみたくなります。
まさに「あれもして、これもして…」の状態。
本人のその勢いに任せてコーチが「じゃ、それら全部をやってみようか」とやってしまうと、私の経験上失敗する可能性がかなり高くなります。
なぜならコーチングで想定した理想と現実とのギャップに多々直面するからです。
ビジネスの一線で活躍する皆さんならわかると思いますが、現代のビジネスは複雑性が絡み合っており予想外の連続ではないでしょうか。
そんな状況でアクションプランを「あれも、これも」と作り、実行しようとしても結局やり切れず失敗…、そして自信をなくすケースが多いのです。
ですからコーチングで部下が意欲的に「あれも、これも」を言い出した時は、上司のあなたは一旦落ち着かせて「その中で確実にやれそうなことは何?」と聞いてみましょう。
いきなり100点を目指すのではなく、できるものから手をつけて小さな成功体験を作る。
そうすると本人のなかで「できる!」という自信が醸成されていきます。
心理学者チクセントミハイは「自分のスキルとチャレンジとのバランスが取れた時にフロー状態に入る」と説きましたが、この部下にとってのバランスの取れた状態をピンポイントで見つけるのはやさしいことではありません。
であれば、達成しやすい小さな成功体験を積み重ね、少しずつ仕事の負荷を上げていく。
時間はかかりますが、些細なきっかけで大きな飛躍を遂げることもあります。
つまり小さな成功体験がブレイクスルーのきっかけになることもあるのです。
ぜひ上司のあなたは部下が成長の階段を一歩一歩上がっていけるようサポートしてあげてほしいと思います。
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