アドラー心理学1on1コーチングのコツ:注意すべき「過去」の扱い方
前回のコラムでは「過去の成功体験に目を向ける」というお話をしました。
今回はそれとは少し矛盾する話になるのですが、コーチングの枠組みを広げる意味で「こういう考え方もある」という視点で読んでいただければと思います。
前回述べたように、本人の過去の体験には問題解決のヒントがたくさん埋まっている可能性はあるのですが、コーチはその取扱いに注意が必要です。
なぜかというと「人は自分の過去の決断にとらわれてしまいがち」だから。
ある時に下した正しい決断が時を経て状況が変わり、現在では適合しなくなったとしても人は自分で決めた「一貫性」を放棄できず同じ決断をしてしまう…。
つまり、過去の成功体験にとらわれて不合理な意思決定をしてしまうこともあるのです。
行動経済学という学問がありますが、そこで主張されるメインテーマは「人間は不合理な意思決定をしている」ということ。
コーチングで相手の過去の体験から問題解決を導き出したとしても、それが必ずしも合理的な意思決定であるとは限らないと心に留めておくことが必要です。
コーチは相手が意思決定する前にその不合理性も相手に示すことができれば理想的です。
相手の意思決定を修正するのではなく、そこにある不合理の可能性について気づきを与える。
そして合理的か不合理かの区別を理解してもらったうえで、最終的な判断は相手に求める。
合理的か不合理かの区別がつかないまま意思決定させてしまうのとではコーチングの質に大きな差が生まれます。
ぜひこの点を皆さんのコーチングスキルの引き出しに入れておいていただければと思います。
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