アドラー心理学:「嫌われる勇気」への大いなる誤解

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書籍『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀健史 著 ダイヤモンド社)によって注目を浴びたアドラー心理学。
「他人の人生を生きない。」
「嫌われる勇気を持って、自分の人生を生きる。」
読んだ方々に感想を聞くと、こうした部分が心に刺さっているようです。
それはとても良いことだと思います。
しかし一方で、「たとえ人に迷惑をかけて嫌われたとしても、自分のやりたいことを積極的にやろう!」と、その解釈を誤解している方も多く見受けられます。
せっかくの名著も誤解されてはあまりにも残念…。
アドラー心理学に携わる者として、今回のコラムではその建設的な解釈を考えたいと思います。
ここで、ちょっと想像してみてください。
あなたの組織でみんなが「嫌われる勇気を持って」「自分らしく」「自分のやりたいよう」に行動したら、どうなるでしょうか?
「この仕事はやりたくありません。」
「その仕事はやりたいです。」
「あの顧客のところへは行きたくありません。」
本人の意思を尊重したくても、全ての意見を取り入れていてはビジネスが成り立たなくなります。
やがて組織も崩壊してしまうでしょう。
ですから、やはりそこには一定の節度や配慮というものが必要になるわけです。
「嫌われる勇気を持って行動して、多くの人に迷惑をかけました。」
「結局、自分のやりたいことはやったが、誰に対しても貢献しませんでした。」
これではとても健全な生き方とは言えません。
では、どう解釈すればよいのでしょうか?
アドラーは自身の心理学で「共同体感覚」というものを最も重視しました。