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【コラム】アドラー心理学に見る羽生結弦選手のメンタリティ


平昌オリンピックのフィギュアスケート男子は、羽生結弦選手が圧巻の演技で金メダルに輝きました。

直前の大ケガを乗り越えての金メダル!

凄いとしか言いようがありません。

今回、個人的には羽生選手のメンタリティに注目していました。

ご存じのように彼は2017年11月に右足首をケガ。

以降2か月間リンクに立てないというブランクを抱えての挑戦でしたが、どのような気持ちで本番に挑んだのでしょうか。

私が注目していたのは試合前の会見での発言です。

私の知る限り、羽生選手からネガティブな発言は一切聞こえてきませんでした。

「クリーンに滑られれば絶対に勝てるという自信がある。」

(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180213/k10011326711000.html)

「どの選手よりも勝ちたい気持ちが強くあると思いますし、ピークに持っていける伸びしろがたくさんある。」

(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2680150011022018UU1000/)

以上のように発言がとてもポジティブ。

より厳密に言うと、コメントにネガティブなワードが一切出てこないのです。

人は困難な状況になると、ついネガティブな部分に目を向けてしまいがちです。

「ミスしたらどうしよう…。」

「ケガの影響で上手くいかないかもしれない…。」

「不安はあるけど頑張るしかない…。」

こんな考えが頭に浮かび、それを言葉にしてしまいます。

しかし、アドラー心理学ではそんな状況でもポジティブな部分に注目することを求めます。

逆を言えば、ネガティブな部分に注目を与えないのです。

なぜか?

それは人は何かに注目すると、その注目したものが本人の中で増えていくからです。

注目の仕方が肯定的であろうと、否定的であろうと関係ありません。

例えばミスが不安で、それを否定するために「ミスをしない!」と思い込んでも、結局意識は「ミス」に行っているので頭の中は「ミス」でいっぱいになります。

それはまるで「ミスする自分」を頭の中でイメージしている状態と同じです。

すると脳はイメージの信号を身体へ送り、それに反応した身体はミスを実現しようとします。

これについてはサッカーの本田圭佑選手も似たことを言っています。

「『ミスをするな』と言えば高確率でミスをするように人の脳はできてる。ミスを意識させるのではなくて、どうやったら上手くできるかを意識させることができれば、自ずとミスは減る。 それを理解してる指導者が世界にはどれだけ少ないことか」

(http://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=32050)

私も学生時代、アメリカンフットボールをやっていましたが、当時メンタルトレーニングを経て、意識の持ち方次第でプレーの質が大きく変わることを何度も体験しました。

ですから、

「ノーミス」よりは「ベスト」という言葉を。

「不安はない」よりは「自信がある」

「負けないように」よりは「勝つために」

同じポジティブな意味合いでも、注目の与え方で結果も違ってくるのです。

この意識の持ち方、私たちも日常生活やビジネスで使えるのではないでしょうか。

強いメンタリティとは、生まれ持った性質として持っていなくても、自ら作り上げることが可能です。

羽生選手も「自分はそんなにメンタルが強いわけではない」と語っていたそうです。

とはいえ、彼がメンタルトレーニングを積んだのか、はたまた生まれながらにしてメンタルが強いのかは、ここではわかりません。

いずれにせよ、たゆまぬ努力で身につけた圧巻の技術と逆境を跳ね返す強靭なメンタル。

それらをもって栄冠に輝いた羽生選手に最大の敬意を払いたいと思います。

 

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